コラム

予防保守とは?予防保全・予知保全との違いやメンテナンスの内容

コンピュータ関連機器にトラブルが起きると、企業にとっては多大な損害を招く恐れがあります。コンピュータ関連機器のトラブルに備えるためには、「予防保守」が重要です。ですが、ひと言で「保守」といっても、保守には様々な種類があるため、予防保守、予知保全、事後保守など、その意味や違いが分からず混乱してしまう企業の担当者も少なくないはずです。ここでは、予防保守を中心に、その他の保守との違いや予防保守の必要性、予防保守を行う際におさえておくべきポイントについてご紹介します。

予防保守とは

予防保守とは、コンピュータ関連機器のトラブルが発生する前に行われる保守点検作業のことをいいます。現時点ではトラブルが起こっていなくても、定期的に点検することで、トラブルが起こる可能性を見つけ、あらかじめ修理することで将来起こり得るトラブルを未然に防ぐのです。
企業の経営において特に重要なシステムを管理しているサーバーやパソコンなどのコンピュータ関連機器については、たとえ一時的なものであってもシステムダウンが許されないことから、予防保守を重要視する企業が増えています。

予防保守と予防保全・予知保全はどう違う?その他の保守との違い

コンピュータ関連機器の予防保守と検索すると、保守に関する様々な用語が出てくるため、混乱してしまいますよね。予防保守とそれらの違いを見ていきましょう。

予防保全とは

予防保全とは、コンピュータ関連機器を安全にかつ継続的に稼働させるために、あらかじめ保全計画を立て、点検や修理、部品交換などのメンテナンスを定期的に行っていく保守方法のことをいいます。考え方としては予防保守に似ていますが、予防保全の場合、保全計画に則り一定の期間が経過した後は、たとえ故障していなくても部品を交換します。
コンピュータ関連機器の故障によるトラブル・システムダウンを予防するだけでなく、修理や部品交換を計画的に行うことで、かかる費用についても事前に予算を組めるという点がメリットです。

予知保全とは

予知保全とは、コンピュータ関連機器を監視し、その劣化状況などからトラブルや故障などの不具合が生じるタイミングを予知し、不具合が生じる前に対処するという保守方法のことをいいます。
予防保守や予防保全との違いは、定期的に点検を行うのではなく、常に監視しながら劣化や変化を予知し、すぐに対処することでトラブルを未然に防ぐというものです。

事後保守とは

事後保守とは、コンピュータ関連機器の故障やトラブルが発生した時に行う保守作業、復旧作業のことです。コンピュータ関連機器に何らかの不具合が起きた後、その原因調査や改善、システム復旧のために作業が行われます。

完全化保守とは

完全化保守とは、故障やトラブルが起こる前の予防保守に加えて、コンピュータ関連機器のグレードアップをはかることです。例えば、作業効率を高めるために新しいアプリを入れたり計算速度をアップさせたりします。

予防保守はなぜ必要?予防保守のメリットとは

コンピュータ関連機器が故障した際に対処する事後保守ももちろん重要ですが、突発的な故障やトラブルを未然に防ぐための予防保守は、企業にとってさらに重要と言えるでしょう。次は予防保守をすることのメリットについて、具体的にまとめていきます。

予防保守のメリット①企業のリスクマネジメント

コンピュータ関連機器は、企業の基幹システムや業務システムと連動していることが多いため、突然の故障や不具合などのトラブルによっては業務を停止せざるを得ない場合もあり、多大な損害を被ることになります。企業の重要なデータやシステムを保管・管理するコンピュータ関連機器は、企業のリスクマネジメントの一環として、定期的に予防保守を行うべきなのです。

予防保守のメリット②予算管理

コンピュータ関連機器が故障してしまった場合、修理や新たな機器の購入により、多額の費用がかかることもあります。予防保守をしっかりと行うことで予算計画を立てやすく、突然の故障を防ぐことができれば、予算内で部品交換やメンテナンスを行うことが可能です。さらに、必要な部品交換や機器の入れ替えも計画的に行えるため、企業としては予算管理がしやすいというメリットがあります。

予防保守のメリット③コンピュータ関連機器の寿命が延びる

必要な点検やメンテナンスを行わないままコンピュータ関連機器を使い続けることは、寿命を縮めることにつながります。予防保守によって定期的な点検、部品交換などのメンテナンスを行うほうが、コンピュータ関連機器を長く使うことができるのです。

予防保守のメリット④不測の事態でも損害を最小限に抑える

コンピュータ関連機器の故障により、「システムが稼働しなくなった」「必要なデータが取り出せなくなった」等のトラブルが発生した場合は、迅速な復旧作業が不可欠です。予防保守により定期的な点検を行っている場合、仮に不測の事態に陥ってしまったとしても、原因の特定や復旧作業が比較的スムーズに進められるため、その損害は最小限に抑えられる可能性が高いです。

現状は何の問題もない、今後もトラブルが発生するかどうかは分からないというときに、果たして予防保守にコストを掛ける必要があるのか?と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実際にトラブルが起きてしまったときのリスクを考えると、予防保守には十分メリットがあると言えるでしょう。

予防保守でおさえるべきポイント

ここからは、実際に予防保守を行う場合のやり方や、おさえておくべきポイントについて、ご紹介します。

実施プログラムの作成

予防保守を行う場合は、保守点検カレンダーを作り、計画的に作業を行っていきましょう。どのようなスケジュールでどう点検するのか、点検後の報告、メンテナンスはどのように行うのかを具体的に決めておくことが大切です。

保守の基準を設定

せっかく予防保守を行っても、点検の際に「まだ大丈夫だろう」「もう少し使ってから交換しよう」など、必要な部品交換やメンテナンスを先延ばしにしてしまっては意味がありません。予防保守を行う場合は、あらかじめ、その基準を定めておくと良いでしょう。どのような状態になったら部品交換を行うのかを具体的に決めておくことで、予防保守が効果的なものになります。

予防保守にかかる費用は?ハードウェア保守・ソフトウェア保守の相場

予防保守の必要性は分かりましたが、やはり気になるのは予防保守にかかる費用ですよね。コンピュータ関連機器(ハードウェア・ソフトウェア)の予防保守を行う場合、どれくらいの費用が相場となるのか、ご紹介します。

  • ハードウェア保守の相場 製品価格の10%前後
  • ソフトウェア保守の相場 製品価格の20%前後

こちらは、新規でコンピュータ関連機器を購入し、1年の保守契約をした場合の費用相場です。コンピュータ関連機器購入後の経過年数によっても費用は変わってきます。さらに、
予防保守の内容は業者によって異なりますので、保守契約を依頼する際は、複数社から見積りをとって確認するようにしましょう。

予防保守はアクシスコンピューテックへ

予防保守とは何か、予防保守の必要性やメリットについてまとめてきました。アクシスコンピューテックでは、企業様の大切なコンピュータ関連機器の予防保守サービスを提供しています。また、コンピュータ関連機器の導入から保守までのコンサルティングも行っていますので、お客様それぞれに最適なプランをご提案させて頂きます。
予防保守のご相談や見積りは、アクシスコンピューテックに気軽にお問い合わせください。